パレスサイドビル 60周年記念

60TH ANNIVERSARY

SINCE 1966

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パレスサイドビルは2026年10月、
開館60周年を迎えました。

1966年の開館から今日まで、
竹橋の街とともに歩んできた60年。

1963–1989

新しい風景が生まれる

1963

皇居前に巨大ビル

毎日新聞は1963年10月26日の朝刊1面に、「東京本社 新社屋へ」「皇居近く巨大ビル」の見出しを並べた大型社告を掲載しました。

リーダーズ ダイジェスト社などとの3社が施主となる新ビルの名称は「パレスサイド・ビルディング」。ビル建設費だけで100億円というビッグプロジェクトが大きく動き始めました。

建設前の竹橋一帯を上空から見た風景
建設予定地(右から皇宮警察感謝、リーダーズ ダイジェスト東京支社、太洋自動車修理工場)の周囲では、首都高速道路の建設も進んでいる
完成予想図を背に開かれた起工式後の披露パーティー
1964年4月17日の起工式後に開かれた披露パーティーでは、池田勇人首相(前列2人目)、池田氏の後継となる佐藤栄作氏(左端)らが歓談。背後に見えるビル完成予想図は現在のビルとは異なる
実際には建てられなかったパレスサイドビルの完成予想図
幻に終わった初期のパレスサイドビル完成予想図には現在の二つの円筒コアはなかった

1964-1966

高らかに響く槌音

ビルの設計を手掛けたのは、当時35歳の林昌二・計画部長が率いる日建設計の若手チームでした。施工は大林組と竹中工務店が共同企業体を組みました。

ビルの完工は1966年9月30日と決まっていました。工期27カ月、わずか2年余りという厳しい条件が課せられて1964年7月1日、ビルの建設工事が始まりました。

円筒コアの床面に同心円状に組まれた鉄筋
ビルの特徴である円筒コアが徐々に姿を現す。最深部の地下5階にコンクリートが打たれる=1965年7月
首都高速道路に囲まれて建設が進むパレスサイドビル
クレーンが林立して建設工事は佳境を迎える=1965年12月
開館を前に外構工事が続くパレスサイドビル
内堀通り沿いの歩道など、周囲で工事が続く中、巨大ビルの外観が整う

1966

この地のランドマークに

パレスサイドビルに直結する地下鉄東西線の竹橋駅が1966年3月、開業しました。ビルの関係者のみならず、周辺のオフィス、学校に通う人たちにとって、待望のターミナルの誕生でした。

約半年後の10月1日、パレスサイドビルは開館しました。雲一つない秋天一碧の下、約4000人を招いた開館披露パーティーが開かれました。

竹橋駅ホームで迎えられる東西線の祝賀列車
竹橋駅で開かれた開通式では、毎日新聞社秘書課の社員が一番電車の運転士に花束を贈呈した=1966年3月15日
首都高速道路の向こうに立つ開館当時のパレスサイドビル
パレスサイドビルと首都高速道路1号線。半年後には首都高速道路5号池袋線が開通し、一ツ橋インターチェンジ入り口の供用が始まった=1966年9月
皇居を望む窓辺に招待客が集まった開館披露パーティー
開館披露パーティーに出席した招待者たちからは全面ガラス張りから望む皇居の絶景に感嘆の声が上がった=1966年10月6日
円筒コアを背に屋上で記念撮影する人びと
ビル完成後に屋上で記念撮影する林昌二・計画部長(後列右端)ら日建設計のスタッフたち

1966

フル稼働する新聞印刷

パレスサイドビルの地下に入ったのは巨大な新聞印刷工場でした。

毎日新聞社は毎時15万部の新聞を刷り上げるという当時、世界一の性能を誇る最新型の輪転機を10台設置しました。時代を画する印刷能力を備えた最新鋭の工場が開館と同時に稼働しました。

輪転機が横一列に並ぶパレスサイドビル地下の印刷工場
うなりを上げる超高速輪転機のわきで、刷り上がったばかりの印面を入念にチェックする印刷部員たち=1966年9月

1967

皇居前に誕生したパレスサイドビルは、その美しいフォルムと品格あるたたずまいから、新聞社見学を兼ねた見物客が相次ぎました。

はとバスが1967年3月、毎日新聞社に立ち寄る「暮らしの社会科コース」を新設したことで、見学ラッシュに拍車がかかり、パレスサイドビルは「東京の新名所」に。

1967年10月の開館1周年に向け、記念イベントが催されました。

大勢のカメラ愛好家が集まったパレスサイドビル屋上の撮影会
開館1周年記念として屋上で開かれた撮影会「パレスサイドビルと映画女優を写す会」は約2500人のアマチュアカメラマンが詰めかけた=1966年9月16日
パレスサイドビル屋上から双眼鏡で景色をご覧になる昭和天皇と香淳皇后
毎日新聞社視察のため、昭和天皇、香淳皇后がパレスサイドビルを訪問され、屋上からの眺望を楽しまれた=1967年11月27日

1982

文化の拠点に

パレスサイドビルの住居表示は1970年1月1日、「千代田区竹平町1番地」から「千代田区一ツ橋一丁目1番1号」に変わり、由緒ある「一ツ橋」の地名が残りました。

毎日新聞社は1972年2月21日、日本の新聞として初の紙齢100年を刻む創刊100年を迎えました。

新聞社が入るパレスサイドビルは報道の発信基地であるとともに、新聞社が展開する文化事業の拠点になりました。

認定状を受け取る加藤一二三新名人
将棋の名人戦を主催する毎日新聞社は、名人就位式をパレスサイドビル内のレストランで開いた。大山康晴日本将棋連盟会長(右)から名人位の推戴状を受ける加藤一二三新名人=1982年9月16日

1990–2003

機能が生む造形美

1992

注力する維持管理

開館四半世紀を前に、パレスサイドビルは1990年2月、シャワートイレを採用するなどのトイレの全面改修や、東西玄関の自動扉化などを盛り込んだリフレッシュ5カ年計画を策定しました。

竣工以来、続けてきたメンテナンス強化の取り組みは1992年、栄えある第1回BELCA(ベルカ)賞(現・公益社団法人ロングライフ推進協会制定)を受賞するという形で報われました。

平成3年度BELCA賞授賞式の壇上
建築後20年以上を経過しながら、美しく機能的に維持管理されている、との評価を受けたBELCA賞の表彰式。他に受賞したのは銀座の服部時計店など=1992年5月21日

1999

近代建築の傑作

パレスサイドビルは1999年、近代建築の歴史的価値の保存と継承に取り組む学術組織ドコモモ(DOCOMOMO=本部オランダ)が選んだ日本におけるモダニズム(近代主義)建築の代表的な建造物20選に選ばれました。戦後のオフィスビルとしては唯一の選定でした。

選考理由は「日本の近代建築を象徴する円・線・表面の組み合わせが美しい」。この選定によってパレスサイドビルは「歴史的な名建築」としての評価を確立しました。

日本のモダニズム建築DOCOMOMO20選をめぐるシンポジウムの登壇者
シンポジウム「ドコモモ20選をめぐって」では選定基準などについて、パネリストが活発な議論を展開した。見学会と合わせた来場者は300人を超えた=2000年2月18日

2011

2011年3月11日午後、マグニチュード9.0の東日本大震災が発生し、東京は震度5強を記録しました。

パレスサイドビルは前年に耐震リニューアル工事を済ませたこともあって、建物の損傷は他ビルに比べて軽微にとどまったとはいえ、完全修復には2年の歳月を要しました。

足場に覆われて外壁改修が進むパレスサイドビルの円筒コア
円筒コアの壁面は経年劣化に加え、東日本大震災によって微細なクラックが生じたため、2012年9月から7カ月間、外壁に足場をかけて改修した

2015–2026

継承される魅力

2015

毎日新聞社は文化事業とともに、スポーツ事業に力を入れています。大相撲で優勝した力士の優勝額を長年にわたって贈っている事業も、その一つです。

2015年には歴代最多の優勝記録を更新していた横綱・白鵬関の写真展をパレスサイドビル内のギャラリーで開き、白鵬関が来館しました。

2021年に開催した東京オリンピック・パラリンピックでは、毎日新聞社はオフィシャルパートナーとして、報道を通じたスポーツ振興にも取り組みました。

相撲写真が並ぶ展示会場を訪れた横綱・白鵬と子どもたち
子供たちの手を引きながら、自身の写真展を見る横綱・白鵬関。名横綱・大鵬を超える34回の幕内優勝を記録した直後とあって、一目見ようと、ビジネスマンら約300人がギャラリー周辺に詰めかけた=2015年4月8日
万国旗で彩られたパレスサイドビルと皇居の緑を見渡す景色
東京オリンピック開幕1000日前を記念して毎日新聞社は、国際オリンピック委員会(IOC)に加盟する206カ国・地域の旗をパレスサイドビルに掲出した。布製の旗を皇居側2~7階の窓枠1枚につき、1枚を取り付けた=2017年10月28日
1階ギャラリーで書画作品展を鑑賞される天皇、皇后両陛下(当時)
天皇、皇后両陛下(当時)がパレスサイドビルを訪れ、1階ギャラリーで開催中の書画作品展を鑑賞された=2018年4月14日
東京2020大会のエンブレムが掲げられたパレスサイドビルの円筒コア
東京五輪・パラリンピックイヤーの2020年を迎え、毎日新聞社はパレスサイドビルの西円筒コアの壁面に大会のエンブレム、西口玄関の階段に「TOKYO 2020」の文字が浮かび上がるデコレーションを施した=2020年3月30日
夜の円筒コアを背景に開かれた屋外ファッションショー
初めて開かれたファッションショーには招待客ら約600人が詰めかけた。夕闇が広がるまでの約20分間、スポットライトを浴びたモデルたちが次々とランウエーを闊歩した=2023年9月1日

2023

時代超えた造形美

昭和から平成、令和と時代が巡っても、端正なたたずまいは変わりません。

皇居の緑と調和するパレスサイドビルの優美な姿は、竣工時から保たれてきました。時代を超えた造形美は、さらなる魅力を放っています。

2026
開館60周年記念シンポジウムの壇上で語り合う登壇者
開館60周年記念シンポジウムでは、建築家の藤本壮介氏、俳優の田中道子氏、日建設計取締役会長の亀井忠夫氏がパレスサイドビルの魅力などについて語り合った=2026年9月1日
開館60周年記念シンポジウムに登壇した4人
開館60周年記念シンポジウムの会場を埋めた来場者と、スクリーンに映る設計チームの写真

多くの人を迎えながら、
パレスサイドビルは、これからも歩み続けます。