ARCHITECTURE

パレスサイドビルについて

皇居のお濠側から見たパレスサイドビルの長い水平棟と白い円筒コア

機能が建物の美を創る

皇居のお濠沿いに伸びる全長150mと125mの直方体の本館2棟と、東西の端にそびえ立つ高さ50mの白い円筒が2棟。パレスサイドビルには華やかな装飾はありません。入居する事業者の業態や、オフィスワーカーの動線、光や雨に対する答えが、建物の美を生み出しました。

飾りではない、二つの円筒

円筒の外壁に走る縦溝が陰影を描きます。
「コア」と呼ばれる円筒に収めたのは、
エレベーターやトイレ、階段、設備。
コアを独立させたことで本館は、
柱が少ない大空間が実現しました。

青空の下、道路から見上げたパレスサイドビルの白い円筒コア
白い円筒コアの縦溝を壁面に沿って見上げる
道路の先に並ぶ、パレスサイドビルの二つの白い円筒コア
斜めに見上げた水平ルーバーの外壁

光を切り、雨を見せる

緑豊かな皇居を望む一面のガラス壁。
雨は漏斗を挟んだ竪樋がしっかりと受け、
日差しは横に走るルーバーがやわらげます。
縦と横の鮮やかな交差によって、
ファサードに生まれた軽快なリズム。

各階の漏斗と縦樋が連続するパレスサイドビルの外壁
青空の下、Mainichiサインと水平ルーバーが並ぶパレスサイドビルの外壁

傘を差しかけ、人を迎える

西玄関に大きく張り出すのは、
広さが60坪ある鉄製の大きな庇。
雨水は支柱内部を流れ落ちる仕組みです。
通称、「アンブレラ」。そのユニークな形は
ビルのシンボルの一つです。

道路越しに見た西玄関のアンブレラと大階段
西玄関の鉄の傘アンブレラと、毎日新聞社の看板
西玄関を覆う直径16メートルの鉄の傘アンブレラと、毎日新聞社の看板
東玄関ロビーから見下ろす大理石の階段と、外の庇

「和」「洋」が出合うエントランス

正面玄関で出迎えてくれるのが、
幅が6mある大理石の大階段です。
手すりや天井に配したケヤキによって、
醸し出される柔らかな風合い。
「和」と「洋」が出合うエントランスです。

東玄関の大理石の大階段と、PALACESIDE ARCADEの天井
大理石の大階段と、断面に丸みを持つケヤキの手すり

建物を貫く廊

全長100mを超える中央廊下が、
ビル本館を東西に貫きます。
廊下の幅はオフィス階が3.2m、
飲食店街では8mとさらにゆったりと。
行き交う人の流れは絶えません。

店舗が並ぶ地下1階のパレスサイドアーケード
郵便局と店が並ぶ、1階の長い中央通路
窓越しの外壁を望む、長く伸びるオフィス階の中央廊下
コンコースに置かれた夢の階段の全景

宙に浮く「夢の階段」

地下1階と1階をつなぐ階段は、
約2tの重さながら、支柱がありません。
吊り橋の構造をヒントに、ステンレスの丸棒を
網状に組んで実現した造形美。
名付けて「夢の階段」。

夢の階段を正面から見上げる
夢の階段の格子手すりを斜め下から見る

「宇宙船」と評される円形空間

直径22mの円筒コアに入るのは
円弧に沿って並ぶ8基のエレベーター。
ホールの直径は10.8mあり、
大きく広がった円形の空間が、
「宇宙船のよう」との評も。

円筒コアの階段を上から見下ろす
円筒コアの曲面に沿って並ぶ縦の光
円筒コアのエレベーターホールと、中央の階段
上空から見た屋上庭園。二つの白い円筒コアと、皇居のお濠・緑が連なる

皇居が眼前に広がる屋上

皇居の絶景を望む屋上は、
国内で最も古い屋上庭園の一つ。
屋上の一角に鎮座するのは
1939年創建の毎日神社。
働く人が憩うオアシスです。

二つの白い円筒コアと、働く人が憩う屋上庭園
屋上庭園に建つ毎日神社の鳥居と本殿

細部に宿る

パレスサイドビルは匠の手わざや、職人の手仕事を残した「最後のビル」とも言われます。その証しが今も、ビルに息づいています。

中央のガラス面を挟んで高く立ち上がるPS特殊レンガの壁

PS特殊レンガ

ビルの東西両端に積み上げた高さの約40mのレンガの外壁。総数は約60万個。パレスサイドビルのための特注品で、当時の三木武夫通産大臣が「PS(パレスサイド)特殊煉瓦(レンガ)」と命名しました。

ビル9階の庇に止まるアルミ製のハトのオブジェ

ハトのオブジェ

ビル9階の庇6カ所に止まるハトのオブジェ。羽を休めたハト、飛翔するハトの各3羽。大きさが約45cmあるアルミ製で、彫刻の高村光太郎賞を受賞した一色邦彦氏が制作しました。毎日新聞社で活躍した伝書鳩の記憶と、平和への願いを込めて。

屋上庭園に立つ、イサム・ノグチが選んだ庭石

イサム・ノグチの庭石

かつて、この地に建っていたリーダーズ ダイジェスト東京支社。その日本庭園を手掛けた彫刻家イサム・ノグチが選んだ庭石の一部が、屋上の芝生に配されています。

受賞・選定

  • 1968
    第9回 建築業協会賞の銘板

    第9回 BCS賞(建築業協会賞)

    建築の計画・施工を総合的に評価。日本の戦後モダニズムを代表するオフィスビルとして受賞。

  • 1992
    第1回 BELCA賞 ロングライフ部門の銘板

    第1回 BELCA賞 ロングライフ部門

    長期にわたり適切な維持保全がなされ、優れた機能を発揮し続ける建築を評価。

  • 1999

    DOCOMOMO Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」選定

    最初の20選のうち、戦後のオフィスビルとして唯一選定。

  • 2006
    第6回 日本建築家協会25年賞の銘板

    第6回 日本建築家協会25年賞(JIA25年賞)

    竣工後25年を超えて良好に使われ、美観と機能を保持し社会に貢献する建築を評価。

建物のあゆみを読む